素早さ操作入門:トリックルーム・おいかぜ・こごえるかぜ・まひ
素早さ操作入門:トリックルーム・おいかぜ・こごえるかぜ・まひ
Pokemon Championsのダブルでは、6匹のチームを持ち込み、各試合で4匹を選出します。つまり毎ターン、判断材料が非常に多くなります。自分のポケモン2匹、相手のポケモン2匹、そして無数の行動順の可能性。対戦を始めたばかりなら、ここで素早さ操作の重要性が見えてきます。
この素早さ操作の入門記事では、今回扱う主要な5つの手段を解説します。トリックルーム、おいかぜ、こごえるかぜによる相手全体への素早さダウン、でんじはによるまひ、そして初手処理系の動きです。読み終えるころには、それぞれが何をするのか、ターン制限のあるものが何ターン続くのか、どのスタイルが自分のチームに合うのかが分かるはずです。
ダブルで素早さ操作が勝つ理由
シングルでは、先に動けることは有利です。ダブルでは、先に動けることがそのターン全体を決めることがあります。
両サイドに2匹ずつポケモンがいるため、最初の行動で脅威を倒したり、相手2匹を削ったり、味方を圧力から守ったり、次のターンの展開を作ったりできます。続く2手目は、その新しい盤面を利用できます。自分側が継続して相手より先に動けるなら、自分の選択はシンプルになり、相手の選択はリスクを抱えやすくなります。
最も単純に言えば、素早さ操作とは誰が誰より先に行動するかを決めるプレイです。
これが重要なのは、ダブルが連携を強く評価するルールだからです。考えるべきことは「自分のポケモンは相手のポケモンより速いか?」だけではありません。次のように考えます。
- 自分の1匹目は、相手の最重要アタッカーより先に動けるか?
- 自分の2匹目は、相手が対応する前に追撃できるか?
- 相手2匹を同時に遅くできるか?
- 行動順を逆転させて、遅いポケモンを先手にできるか?
- 相手の素早さプランが始まる前に止められるか?
Pokemon Championsでは、努力値と個体値が別々に存在するのではなく、Stat Points、つまりSPを使います。そのため、素早さの設計はチーム構築で直接コントロールできる選択になります。HPは次のように計算されます。
HP = 種族値 + SP + 75
素早さを含むその他の能力値は、次の式を使います。
能力値 = floor((種族値 + SP + 20) * せいかく補正)
SPは合計66、1つの能力値につき32が上限です。せいかくは本編シリーズと同様に、1つの能力値に+10%、別の能力値に-10%の補正をかけます。つまり素早さプランを選ぶということは、限られたSP予算のうちどれだけを先に動くために使うかを選ぶことでもあります。
だからこそ、素早さ操作は単なる技の選択ではありません。チームの個性を決める選択です。
より広いチームスタイルについては、Archetype Browserと比較できます。
5つの手段 - トリックルーム、おいかぜ、こごえるかぜ、でんじは、初手処理技
詳しい解説に入る前に、まずは要点をまとめます。
| 手段 | 何を変えるか | 持続 | チームがしたいこと |
|---|---|---|---|
| トリックルーム | 素早さが低いほうから動く | 発動ターンを含めて5ターン | 元から遅いポケモンを速い相手より先に動かす |
| おいかぜ | 味方側の素早さを2倍にする | 発動ターンを含めて4ターン | 中速または高速のポケモンを先手にする |
| 全体素早さダウン技 | ダブルで相手2匹に当たり、相手2匹の素早さを1段階下げる | 場のターン制限ではない | 削りを入れながら相手2匹を遅くする |
| でんじは | 1体をまひにし、素早さを半分にして、25%の確率で行動不能にする | 表示されるターンカウントなし | 重要な1体のテンポを止める |
| 初手処理技 | 相手の初手要員を倒す、または強く圧力をかける | 場のターン制限ではない | 相手の素早さプランが機能する前に止める |
優れた素早さ操作役のポケモンが、すべて同じ仕事をしているわけではありません。一定ターンの勝負所を作るものもあれば、1体の素早さ状態を恒久的に変えるものもあります。相手2匹を同時に圧迫するものもありますし、そもそも相手が狙った初手を使えないように場を処理するものもあります。
重要なのは「どれが一番強いか?」ではありません。「自分のチームが勝つためのターンを作れるのはどれか?」です。
対戦中にこうしたターンを見極める練習には、Battle Co-Pilotを使えます。
トリックルーム徹底解説 - 持続、行動順の逆転、よくある始動役
トリックルームは発動ターンを含めて5ターン続きます。その間は行動順が逆転し、素早さが低いポケモンから動きます。
この一文こそが、トリックルーム構築を大きく別物に感じさせる理由です。相手より速く動こうとするのではなく、遅いことを苦にしないポケモンを軸に組み立てます。チームが元から遅いなら、トリックルームは本来不利になる要素を最大の強みに変えてくれます。
このセクションは、自分のチームがトリックルームを使うべきか判断するための基本的なトリックルームガイドとしても使えます。
最も重要なタイミング上の注意点は、発動ターンもカウントされることです。1ターン目にトリックルームを使った場合、そのターンも5ターンの持続に含まれます。設置後に追加で5ターンもらえるわけではなく、始まったターンを含む5ターンの場の効果です。
つまり、プランは直接的であるべきです。
- トリックルームを発動する。
- 遅いアタッカーを動きやすい位置に置く。
- 残りターンを効率よく使う。
- 影響の小さい行動でトリックルームのターンを浪費しない。
この文脈での「行動順の逆転」とは、素早さを上へ競うレースとして考えるのをやめるという意味です。トリックルーム下では、素早さの低いポケモンが先に動きます。普段なら後手に回るポケモンが、即座に脅威になります。
この記事で扱う情報には具体的な技習得リストは含まれていないため、Pokemon Championsで一般的な始動役を探す最も確実な方法は、Pokedexで実際にその技を使えるポケモンを確認することです。候補となる始動役を比較する際は、チームが必要としている役割を見ます。
- 序盤から場に出しやすい始動役
- 遅い味方をサポートできる始動役
- チーム全体がトリックルーム中だけでしか機能しない、という状態を避けられる始動役
- 場の効果が有効になった後も有用なターンを作れる始動役
良いトリックルームガイドなら、過剰に寄せすぎる危険性にも触れるべきです。選出する4匹すべてがトリックルーム中でしか強く感じられないなら、効果がないターンはすべて苦しくなります。多くのチームでは、場の効果がないと何もできない状態を避けるため、遅い軸に少なくとも1匹の柔軟な選択肢を添えます。
自分の最強ポケモンがよく遭遇する脅威より遅い場合、または相手の素早さ投資を咎めたい場合、トリックルームは特に向いています。
おいかぜ徹底解説 - 持続、相性の良い相方
おいかぜは発動ターンを含めて4ターン続きます。効果中は、味方側の素早さが2倍になります。
そのため、おいかぜは最も分かりやすい「今すぐ速くなる」選択肢です。トリックルームと違い、行動順を逆転させるわけではありません。自分側を上へ押し上げ、本来なら抜けない相手より先に動けるようにします。
タイミング面での大きな教訓は同じです。発動ターンもカウントされます。使える時間は短く、その間のすべての行動に意味を持たせる必要があります。
ここで、ダブルにおけるおいかぜ運用の設計が重要になります。おいかぜは、先に動けると強いから押すだけのボタンではありません。素早さ2倍の恩恵をすぐ受けられる相方が必要です。最適な相方は、多くの場合、強力な行動を持っているものの必要な素早さに少し届いていないポケモンです。おいかぜは、あらゆるリソースを素早さに回さなくても、そのラインを越えさせてくれます。
相方を選ぶときは、次を確認します。
- このポケモンは先に動けると大きく強くなるか?
- おいかぜが有効になった後、相手のどちらの枠にも圧力をかけられるか?
- おいかぜが切れても機能するか?
- ダメージ、耐久、別の補助性能よりも素早さサポートを必要としているか?
おいかぜは、柔軟なSP配分とも相性が良いです。素早さは次の式で計算されます。
素早さ = floor((種族値 + SP + 20) * せいかく補正)
そのため、そのポケモンに大量の素早さ投資が必要なのか、中程度でよいのか、あるいは予定しているターンではおいかぜが不足分を埋めるためほとんど不要なのかを決められます。ただしSPは合計66、1能力値につき32までなので、素早さに1ポイント足すたびに、他へ置けるポイントが1つ減ることは忘れないでください。
ダブルのおいかぜでは、短い制圧時間を作ることが目標になりがちです。場の効果を展開し、有効ターン中に高い価値の行動を重ねて、相手が立て直す前に押し切ります。
チームがすでに中速から高速寄りで、重要なターンに行動順で勝つ安定した手段が欲しいなら、おいかぜが最も合っています。
状態異常と削り - でんじはのタイミング、こごえるかぜの二役
でんじはと全体素早さダウンは、トリックルームやおいかぜとは違う役割を持ちます。同じようなチーム全体の時間制限付きフィールド効果を作るわけではありません。代わりに、相手へ直接干渉します。
でんじはは対象をまひにします。まひしたポケモンは素早さが半分になり、25%の確率で行動できなくなります。
そのため、でんじはは相手の1匹が問題になっているときに最も強力です。相手に試合のテンポを支配する高速の脅威が1体いるなら、まひはその対面を即座に変えられます。相手2匹を遅くする必要がなく、1体だけを扱いやすくすればよい場面で特に有効です。
タイミングも重要です。でんじはは、対象が多くのターンを決める前に使うほど強いです。高速の脅威がすでに仕事を終えた後まで待つと、素早さ低下の価値は下がります。その対象の素早さを半分にすることで次の行動順が変わるとき、または25%の行動不能が実質的な圧力になるときに使いましょう。
全体素早さダウン技は、ダブルで相手2匹に当たり、相手2匹の素早さを1段階下げる点が異なります。さらにダメージも与え、ダブルの全体技は各対象に本来の75%のダメージを与えます。
これにより、二つの役割を同時に持ちます。
- 相手2匹の今後の素早さ順を変える。
- 両方の対象に削りダメージを入れる。
全体技のダメージ減少は重要です。この種の技は、単純な火力だけを目的に使うものではありません。削りと素早さ操作の組み合わせによって、より良い盤面を作るために使います。
これは相手2匹のどちらも重要な場面で特に有用です。1体だけ遅くしても足りないなら、全体素早さダウンによって相手側全体を扱いやすくできます。
マッチアップ練習をさらに進めるなら、Battle Co-Pilotでどちらの相手枠を先に遅くすべきだったかを振り返れます。
相手の素早さ帯を読み、配分を推測する
相手の素早さがどれくらいかを読めるようになると、素早さ操作の判断は簡単になります。
完璧な情報は必要ありません。必要なのは、使える情報です。毎ターンが手がかりを与えてくれます。
まずは見えている行動順から始めます。盤面に有効な素早さ操作がないなら、先に動いたポケモンのほうが関連する素早さで上回っています。トリックルームが有効なら、素早さが低いほうが先に動きます。おいかぜが有効なら、効果を受けている味方側の素早さは2倍です。まひしているなら、そのポケモンの素早さは半分です。素早さランクダウンが入っているなら、そのランク変化ぶん素早さが下がっていることを覚えておきます。
そこから、見えたものと知っている情報を比較します。
Pokemon Championsの素早さは、種族値、SP、せいかくによって決まります。
素早さ = floor((種族値 + SP + 20) * せいかく補正)
1つの能力値に振れるSPの最大値は32です。せいかくは、選んだ性格によって素早さを10%上げる、10%下げる、または補正なしにします。種族値が分かれば、各ポケモンの実用的な範囲を把握できます。
Pokedexで種族値を確認し、次のように考えます。
- このポケモンは素早さSPなしで先に動けたのか?
- 自分を抜くには、おそらく素早さSPが必要だったのか?
- 素早さ上昇のせいかくなら、この行動順を説明できるか?
- おいかぜ、トリックルーム、まひ、ランクダウンが比較を変えたのか?
- 相手は想定より遅い、または速いことを明かしたのか?
毎回相手の正確な配分を解き明かそうとしているわけではありません。可能性を絞っています。
例えば、自分のポケモンの素早さ実数値が分かっていて、トリックルーム外で相手が先に動いたなら、その瞬間の相手の有効な素早さは自分より高かったと分かります。おいかぜ後にだけ先に動くなら、素早さ2倍の状態が理由だったと分かります。まひしているのに何かより先に動いたなら、その状況では半分になった素早さでもまだ十分だったことが分かります。
これが、実戦で配分推測が役に立つ形です。おいかぜが必要なのか、トリックルームで対面をひっくり返せるのか、でんじはで足りるのか、あるいは相手の初手が動く前に処理する必要があるのかを教えてくれます。
判断ツリー - 自分のチームに合う素早さ操作はどれか
適切な素早さ操作の手段は、チーム本来の速さと、どのようにターンを勝ちたいかによって変わります。
まずはこの判断ツリーを出発点にしてください。
主力アタッカーは、想定する脅威より遅いですか?
→ はい: トリックルームを検討。
→ いいえ: 次へ。
自分のポケモンは、先に動けそうだが少し足りない位置にいますか?
→ はい: おいかぜを検討。
→ いいえ: 次へ。
削りダメージを入れながら相手2匹を遅くする必要がありますか?
→ はい: 全体素早さダウン技を検討。
→ いいえ: 次へ。
相手の1匹が主な素早さ問題になりがちですか?
→ はい: でんじはを検討。
→ いいえ: 次へ。
相手の初手プランそのものが主な問題ですか?
→ はい: 初手処理技を検討。
実戦向けに言い換えると、次のようになります。
- 素早さが低いほうから動くとチームが強くなるなら、トリックルームを選ぶ。
- 味方側の素早さが2倍になる短い爆発力が欲しいなら、おいかぜを選ぶ。
- 相手2匹を同時に遅くする必要があるなら、全体素早さダウンを選ぶ。
- 1体をまひにして遅くし、場合によっては行動不能にしたいなら、でんじはを選ぶ。
- 相手の素早さプランに後から付き合うより、最初の駒を止めたいなら、初手処理技を選ぶ。
初手処理は最も「素早さ操作」らしく見えない選択肢ですが、それでも議論に入れる価値があります。相手の素早さプランに勝つ最善の方法が、上から抜くことでも、逆転させることでも、遅くすることでもない場合があります。ときには、そのプランを成立させる初手を取り除く、あるいは相手が望んだターンの使い方をできないほど圧力をかけることが最善です。
ここでは6匹でのチーム構築も重要になります。各試合で4匹を選出するため、すべての試合にすべての素早さ操作を持ち込む必要はありません。必要なのは、マッチアップに合ったモードです。高速の相手にはトリックルームを持ち込み、バランス同士のミラーにはおいかぜを持ち込み、特定の1体が問題ならでんじはを持ち込む、といった形です。
チームモードの選び方をさらに深く知りたい場合は、Archetype Browserを参照してください。
重要ポイント
- トリックルームは発動ターンを含めて5ターン続き、素早さが低いほうから動く。
- おいかぜは発動ターンを含めて4ターン続き、味方側の素早さを2倍にする。
- でんじはは1体の素早さを半分にし、25%の確率で行動不能にする。
- 全体素早さダウンは相手2匹に当たり、両方の素早さを1段階下げ、各対象に75%の全体技ダメージを与える。
- 一番強そうに見える手段ではなく、チーム本来の素早さに合う手段を選ぶ。